M&A

増加するインハウスローヤー、国際的な活躍も?

どんどん増えていく企業内弁護士(インハウスローヤー)

弁護士というと、大半は法律事務所に所属して案件を扱う人をイメージすることがあります。確かに現在でも事務所で業務をする人の割合はかなり高いのですが、近年では企業内弁護士(インハウスローヤー)の割合もかなり上がってきています。実際に、自社内に弁護士を常駐させる形で雇っている企業の数はどんどん増えていて、この10年間で10倍程度になっています。インハウスローヤーの数自体もかなり増えていて、求人数も安定していることから、弁護士の就職先の大きな選択肢となっています。

インハウスローヤーの待遇は、給料だけで見ると法律事務所に属している人よりも低めの水準となります。しかし、インハウスローヤーは就業時間がきちんと決まっているというメリットがあります。普通のサラリーマンと同じように、一日8時間労働できちんと週二日の休みがあります。しかも、有休制度の適用を受けられますし、長期休暇の取得も特に難しくありません。一方で法律事務所で働くとなると、夜遅くまで休みなしで働くことも珍しくありませんし、休みを取ればその分収入が減ることになります。こうしたことから、時給換算で考えるとインハウスローヤーの方が割が良いと見る向きもあります。なによりも、メリハリの利いた生活ができますので、心身の負担が少ないというのは大きな利点です。こうした理由からも、インハウスローヤーを希望する弁護士が増えているのが現状です。

より重要性が増すインハウスローヤー

このように、どんどん活躍の場を広げているインハウスローヤーですが、この流れはさらに続くと見られます。法律上のトラブルというのは、企業ブランドイメージに影響を与えますし、ダイレクトに経営に関わることもあります。こうしたリスクを避けるためにも、大企業だけでなく中小企業の中にもインハウスローヤーを雇用するところが増えてきています。

また、海外進出する企業が多くなっている中、国際的に活躍するインハウスローヤーがより求められていることに注目できます。単に弁護士としてのスキルだけでなく、言語スキルや海外金融、海外M&Aなどの経験を持った弁護士がより必要とされることになるでしょう。多角的に弁護士が活躍できる場が広がりますので、それぞれの能力を一層発揮できることになります。他との差を付けてスキルや経験を持っていくということがより求められる世界となっているのです。

インハウスローヤーは弁護士経験必須?ファイナンスや知財ノウハウも重要!

一定の弁護士経験を持つ人を募集することがほとんど

企業内弁護士(インハウスローヤー)として働くためには、基本的に弁護士の資格があれば問題ありません。しかし、実際には企業としては単なる弁護士資格を持つ人ではなく、企業活動に役立つように、一定の経験を持つ弁護士を採用する傾向があります。そのため、司法修習を終わったばかりの新米弁護士を雇用するというのは、そう多くありません。一般の法律事務所で働いてきた人を中途採用という形で雇い入れるのが多いのです。

というのも、インハウスローヤーは、単に法律知識があればいいというわけではなく、経営に関係するファイナンスや知財関連のノウハウを持っていることが重要になってくるからです。それには、実際の経験が物を言うところがありますので、企業を顧客として法律業務を行ってきた人を優先的に採用することが多くなっています。

企業内弁護士(インハウスローヤー)に求められるスキル

法律に関する知識は当然として、インハウスローヤーにはさらに求められるスキルがあります。企業がどのジャンルを強化したいと思っているかによって異なりますが、全体的に多いのが知的財産権の管理や主張、係争に強い弁護士です。企業活動にダイレクトに影響する権利ですので、強化を図るところが多くなっています。さらに、金融関係についての幅広い知見を持つ弁護士というのも重宝されます。会社経営そのものに大きな力となりますし、税務関連のトラブルに強くなれます。また、M&Aに関係する経験というのも、大企業にとって欲しいスキルとなります。

最近では、こうしたスキルに加えて語学力をインハウスローヤーに求めるところも増えてきています。また、日本国内の弁護士資格だけでなく、国際ライセンスを持つ弁護士というのはかなり重宝されます。やはり、海外に進出する企業が増えてきていて、大企業だけでなく中小企業でもその傾向が強くなっています。法律事案が海外事業の足かせとなることも少なくありませんので、専門的な知識を持つ弁護士の働きの重要性は増しているのです。

このように、インハウスローヤーとして働くためには、弁護士としての基礎的なスキル以外に、企業活動に関係するスキルが求められます。また、実務経験というのもかなり重要視されるところですので、この分野の案件が多い事務所で働くことは欠かせないものとなっています。弁護士としてのスキルが重視されるところですので、やりがいがある仕事だと言えるでしょう。

採用需要も拡大、インハウスローヤーとは何をする仕事?

急速に増加している企業内弁護士(インハウスローヤー)

企業内弁護士(インハウスローヤー)とは、法律事務所に所属したり自分で事務所を開設したりしている人たちではなく、特定の企業に雇われている弁護士のことを指します。そのため、異なるいろいろな事案を扱うのではなく、その所属している企業の案件のみを扱うことになります。

このインハウスローヤーの数は急速に伸びていて、2007年から2017年までの10年間で、実に10倍近くの数に増加しています。それだけ、企業が専門的な部署として法務を重要視していることが分かります。法律が関係するトラブルが多くなっているという時代背景も関係していて、専属の弁護士を雇う必要が生じてきているのです。そのため、弁護士としても事務所に所属するのではなく、どこかの企業に雇われるという働き方の選択肢が新たに加わっています。

様々な法律事案を扱う

法律事務所に所属している弁護士の多くは業務委託契約を交わしていて、事務所と弁護士は雇用関係にありません。しかし、インハウスローヤーの場合は、会社に雇われる形となり、いわゆる労働者として働くことになります。

具体的には、企業コンプライアンスのチェックや契約書の作成や確認、個々のケースの法律相談などがあります。特に今は企業が販売する商品や公にするCM、社員の行動などの面でコンプライアンスが社会的に厳しく見られるようになっていますので、法律の専門家という立場からチェック、指導をすることはとても大事になってきています。他にも、知的財産に関係する業務も重要な仕事です。製品を発売する前のチェックや、知財権の登録、万が一他の企業との係争が発生した場合の解決なども行うことになります。製品の販売の行方を左右する大事な業務ですので、弁護士としての能力が問われる場面となります。

また、税務も含めて金融、ファイナンス関連の仕事に携わる弁護士もいます。M&Aが生じる時にも、会社法などの絡みからインハウスローヤーが活躍する場面も多くなります。豊富な知見を武器に、会社の経営そのものに関係することができますので、やりがいを感じる業務となるでしょう。さらに、所属する企業が訴えられた、逆に対抗する企業などを訴えるという時には、訴訟にダイレクトに携わることになります。とはいえ、訴訟案件は顧問弁護士に依頼することが多いので、裁判所や和解の場ではインハウスローヤーはサポートに回ることになります。